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「ふふふ、エリちゃんたちはピンチみたいだね」
柊紫苑が、愉快そうに笑いながら研究室の奥へと歩を進める。
備え付けのゴミ箱の裏に、隠しボタン。
それを押すと、開く壁。
その奥は、彼しか知らない場所だった。
「倫理、道徳、正義……そんなものはクソくらえだよ。僕にとって大事なものはただ一つ、愛なのさ」
張り付いたような笑顔が、あまりにも不気味。
しかしそれは、誰にも見咎められぬ些事。
彼の進む先にあるものは、エリザ達の理解を超えた〝宝物〟だった。
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