第八話:弔いの銃弾

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*** 「お疲れ様。今回は堂本さんも奥さんも次女さんも助かったわ。長女の子は残念だったけど……」 リョウコさんの言葉に、僕たちは一様に俯いていた。 堂本さんはすぐに治療したおかげで一命はとりとめたものの、重傷。 社会復帰できるかは微妙なところだ。 沙也加さんと小さい娘さんは無傷に近かったが、その身代わりになるような形で高校生の長女は亡くなってしまった。 調べてみると、津坂はこの長女にも身体を要求していたらしい。 父親のため、家族のために、好きでもない男に抱かれる日々を過ごし、最後にはその男に殺されてしまう。 彼女の人生に、幸せはあったのだろうか……。 そう考えると、胸が痛くなった。
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