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「それで……問題はマキナのことだが」
「いや~、ごめんね。僕が天才すぎるせいでさ~」
エリザさんの言葉に反応したのは、紫苑さん。
マキナさんから事情を聞き、急遽呼び出されたのだ。
「整理すると、今ここにいるマキナちゃんはあなたが生前の記憶をもとに作り出した存在……ということね」
「ああ、そういう認識で大体あっているよ。僕はマキちゃんから、絶対に覗かないという条件で普段の記憶をデータとして共有してもらっていたんだ。こういう仕事をしていると、何があるかわからないからね」
「私の存在が、みんなに必要とされている自負はありました。なので、もし私が死んだとしても助けになれるようにと思ったのです。まあ最初は紫苑さんから誘われたのですけど」
「下心丸出しだな。この下種め」
「あはは、好きな子に死んでほしくないと思うのは自然なことだろう?」
紫苑さんが微笑みながら語る。
これはきっと、本心なんだろうな……。
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