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「僕は……確かに難しいことはわからないですけど……マキナさんとまた一緒にいれることはうれしいです」
「バカを言うな。志半ばで死んだ本当のマキナが、それで浮かばれると思うのか」
「本当のマキちゃんも、これを望んでいたんだよ。だからこそ、僕の研究に協力してくれたのさ」
紫苑さんの言葉に、エリザさんがうつむく。
確かに、そうなのだ。
マキナさんは自分が死んだ後のために、紫苑さんのクローン研究に協力した。
ある意味でこれは、本人の同意を得ていることになる。
だが……僕にはエリザさんの気持ちも痛いほどに分かった。
納得できないのだろう。
理屈ではなく、これは感情……ひいては良心や正義感の問題なのだ。
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