第八話:弔いの銃弾

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「トウゴ君は……本当に優しいのですね」 「わっ!」 不意に、マキナさんが僕の頭を抱きしめる。 耳からゼロ距離で伝わるマキナさんの鼓動。 わずかに早鐘を打っているのは、緊張しているからだろうか。 とはいえ、きっと僕の方が緊張しているのだけど。 「私達の仕事は、全ての人間を救えるわけじゃないのです。守れない人もいれば、今回のように間に合うことすらできない人もいます。とても悲しいことだと、私も思っています」 マキナさんの言葉には、深い悲哀の念。 僕を第寄せる手に、力がこもった。
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