69人が本棚に入れています
本棚に追加
/178ページ
※※※
「おかえり」
「……ただいまなのです」
紫苑の研究所に、マキナが笑顔で帰宅する。
安定しているとはいえ、クローンは初の試み。
何が起きるかはわからない。
故に、マキナは紫苑の研究所で暮らしているのだ。
「特に何事もなかったかい?」
「ええ、大丈夫です。何の違和感も感じませんでしたよ」
「違和感を感じる?」
「あ、重なってますね。違和を感じる……なのです」
「違和を感じるという言い回しには、少し違和感を覚えるね」
「もー! 意地悪なのですー!」
ぷくっと頬を膨らませるマキナを、紫苑はほほえみながら見つめていた。
最初のコメントを投稿しよう!