第八話:弔いの銃弾

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「もし私が告白したら……トウゴ君は絶対にOKしてくれます。でも、それでトウゴ君が幸せになれますか……? 私と付き合うことで、トウゴ君は……」 「あまり自分を卑下することはないよ。作った僕が言うのもなんだけど、マキちゃんの見た目は完璧に人間だ。子供が作れないとか、そういうハンデはあるけど、人間にだってそういう状況になってしまっている人はいる。それでも、愛をはぐくんでいる夫婦はいくらでもある。マキちゃんは、そういう人たちも否定するつもりかい?」 「そういうわけじゃないですけど……」 俯くマキナに、紫苑が微笑む。 「だったら、マキちゃんはもう少し自分の幸せを考えればいいよ。それは、僕の願いでもある」 そう言って紫苑がマキナの顎を引き、そっと唇を近づけた。
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