第三話:ゴミは、お前だ

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「ん? おい、生存者だ」 エリザさんの声に向き直ると、呆然と座り込む少年の姿。 「君、大丈夫?」 僕が語り掛けると、少年はゆっくりとこちらを向き、口を開いた。 「ママ、死んじゃった」 それだけ。ただそれだけの言葉に、計り知れない重みがある。 動けない僕の肩を叩く手はエリザさん。 「もうすぐマキナが来る。それまでにトリアージを進めよう」 トリアージ……患者を緊急度合いによって色分けし、治療の指針にすることだ。 死亡した者には黒、即座に処置しないと生命が危ぶまれる者には赤、そこまで切迫していない者には緑で印をつける。 気が進まない仕事だが仕方ない。 僕はしゃがみこみ、負傷者の選別を始めた。
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