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※※※
「おちゅかれさまです!!」
「ありがとう」
僕に向かって敬礼してくる小さな女の子に、僕も敬礼を返す。
とある百円均一の警備員に就任して、もうすぐ一年になる。
今日はもうすぐ閉店。
面倒なことは起きてないし、このまま平和に……。
「おい、マキナ! この皿はいくらだ!?」
「ここは全部百円なのですよ」
「なんだと! それはおかしい! もしや奴隷か何かを使って……」
「うふふふ、違うわよ。大量生産で安くあげてるのだと思うわ」
……あれー? なんか、向こうにとても面倒くさそうな集団がいるぞー?
横目でちらりと見てみると、気の強そうなショートヘアのグラマーな女性とピンク色のツインテールの少女と髪をまとめたおっとりした女性が、やいのやいのと会話していた。
「なるほど。粗製濫造というわけか。まあそれが顧客に求められているのならば否定はせん」
ふんすっ! と鼻息を荒げてショートヘアの女性が語る。
「あ、私。ちょっと花摘みいきまーす!」
「あら、じゃあ私も」
「おい、私を置いていく気か!」
そして三人は、連れ立ってトイレへと向かう。
正直うるさいけど、まあほっとこ……
ーーガシャーン!!
「!?」
次の瞬間、弾け飛ぶ硝子。響く轟音。
この時、僕の人生は大きく姿を変えた。
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