第七話:偏愛と妄執

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*** 「本当に紫苑さんが道化師なのでしょうか……」 「さあな。まだ何とも言えん」 車の中で、僕はエリザさんと対話。 紫苑さんとは初めて会ったが、悪い人のようには思えなかった。 疑わなくてはならないことは、悲しいことだ。 「そういえば……エリザさんはどうして掃除屋になったんですか?」 ふと思いついてしまった疑問を口にして、僕はしまったと思った。 マキナさんの境遇はあまりにも辛いもの。 だとすればエリザさんも、きっと大変な事情があって今に至るのだろう。 そんなことをうっかり聞いてしまった自分の迂闊さに腹が立った。 「あ、ごめんなさい! 話したくないですよね」 「ん? 別に構わんぞ。貴様は私の相棒なのだからな。理解を深めあうことも大事だろう」 慌てる僕に、エリザさんは拍子抜けするほどに平然とした顔。 そしてエリザさんは、迷うことなく口を開いた。 「私の両親はな……ゴミだったんだ」
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