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「対象者の名前は津坂洋二。証券会社の役員をやっているわ」
「会社役員だと? これはまた大物がかかったな」
警視庁内の倉庫の奥にある、目立たぬ一室。
そこが僕たち掃除屋のために割り振られた『ごみ処理課』だ。
その中で僕たちは一人の男の写真を眺めながらミーティングを進めていた。
「おそらく、この動画を私達に送るということは向こうも把握してなかったんでしょうね。道化師にとってこいつらは完全に切り捨てる対象だということよ」
「敢えて僕達の目を向けさせるのが狙いかもしれませんね。こいつらにかかずらっている間に道化師はどこかに雲隠れ……なんてことが無ければいいのですが」
僕の言葉に、エリザさんが腕を組んで頷いた。
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