第八話:弔いの銃弾

5/77
前へ
/178ページ
次へ
*** 「ほら……こっちに来なさい」 津坂の瞳に映し出されているのは、下着姿で頬を朱に染めた女性。 その瞳には、怨嗟の炎。 だが津坂は、それを意にも介さなかった。 「反抗的な目をしているね。僕が旦那のミスをカバーしてあげなければどうなるかわかっているのだろう?」 「主人は……ミスなんか犯していません。提出したデータに、あなたが手を加えたんでしょう……」 「だとしても、君の主人のミスになるんだよ。ここはそういう世界だ」 津坂がいやらしい瞳で女性を眺める。 女性の瞳には、涙が浮かんでいた。
/178ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加