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「なるほど、ならあいつに僕たちの手で引導を渡すことができるかもしれませんね!」
僕が意気込むと、リョウコさんが諭すように口調。
『トウゴ君。気持ちはわかるけど自分の手で殺すために相手の罪を探すっていうのは本来あまり褒められたことではないわよ?』
リョウコさんの言葉には、深い説得力。
だが僕の心は、そこまで簡単に割り切れるものではなかった。
「ですが……今回ばかりは許せないです。マキナさんをあんな目に遭わせた奴はこの手で裁きを下したいんです」
「私情に振り回されて暴力を振るえば、それは犯罪者と同じだ。だからこそ、緊急的な場合は除いて、気持ち的に納得がいかなくても司法の判断を待つんだ。そこは理解しろ」」
「……はい」
エリザさんの言葉に、僕は俯きながらうなずいた。
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