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「まあ、ともかく部下のデータを送ってくれ。こちらで接触を図る」
『了解よ。少し待っててね』
エリザさんの言葉に、リョウコさんの返事。
それから、しばしの時間が経つ。
その間に、僕は考えていた。
いざ津坂を目の前にしたとき、自分は冷静でいられるのか。
あんなに優しかったマキナさんを犯し、殺した人間に対して、心を抑えて手錠をかけることができるのだろうか。
その自信は、未だに無かった。
『二人とも、大変よ』
不意に、リョウコさんの言葉。
込められた感情は、戸惑い。
「どうした、何があった?」
『今、あいつの部下を調べてたんだけど……いたのよ。動画に』
「は?」
『脅迫されていたという部下の姿も、マキナが殺された動画に映っていたのよ』
リョウコさんの言葉に、僕は戦慄した。
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