301人が本棚に入れています
本棚に追加
冷たい。
それが最初に感じた感覚だった。
ほおにざらざらとした感触がある。
砂の上に倒れているみたいだ。
ゆっくりと体を動かそうとする。
と、頭に激痛が走った。
うぐっ。
うめき声がもれる。
「大丈夫か??」
老人とおぼしき男性が声をかけてきた。
痛みに涙で目が霞んで、あまりはっきりとは見えない。
ガンガンガンガン。頭の中で音が鳴り響く。
老人は動かない自分を見て、ただ事ではないと思ったらしくおおきな声で他の人を呼んだ。
「おーい、誰か来てくれ。倒れている人がいるんだ。」
その声が、さらにガンガン頭に響いた。
痛い。痛い。痛い。
頼むから静かにしてくれ。
どうしたんだ?というような声とともに、続々と人が集まってきた。
足音が全身に響く。
あまりの激痛に、気を失ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!