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西野がいなくなった後、シライはベッドにぼんやりと寝転がった。
やわらかいベッド。
体の節々の痛みが解きほぐされていくようだった。
寝返りをうとうとしたその時、腰あたりになにか硬いものあたった。
先ほどの人形だ。
シライは人形を取り出すとしげしげと眺めてみた。
今は、目は閉じられている。
人形をよく見ようと持ち上げた時、自分の手首に深い傷跡があるのに気がついた。
まるでのこぎりかなにかで切断されたような傷跡だ。
自分の正体につながるかもしれない。
そう思ったシライは人形を手に持ったまま洗面台に向かった。
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