§12

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 上からのしかかってきた直輝に、セーターとカットソーを一気に脱がされてしまう。素肌に直接触れる直輝の指先の感覚に、ぞくっと身体が震えた。 「寒いか?」  急に直輝が心配そうな顔になるので可笑しくなる。万葉は直輝のうなじに腕を回した。 「冷え性なんだからな、責任取ってあっためろよ」  引き寄せた耳元に、内緒話のように囁く。 「万葉」  囁き返してくる直輝の声が耳の奥で溶ける。 「そういうこと言うと、知らないぞ」  声が首筋をつうっと伝い落ちる。舌が鎖骨の窪みをくすぐる。  体内にわだかまっていた熱がほどかれて、直輝が触れてくるところに殺到する。 「……っ」  胸の小さな突起に唇が触れて、万葉は鋭く息を呑んだ。 「万葉のここ、可愛い色してる」 「んなわけ、な……ぁ」  舌先でつん、とつつかれると、くすぐったいだけではない感覚がじわりと広がっていく。 「は……ぁんっ」  片方を唇でつままれ、もう片方も指先でこりこりと転がされ、さざ波のような震えが走った。 「尖ってきた」 「そういうこと、いう、な」  与えられる刺激に反応して、ぷつりと硬くなってきたのが自分でもわかる。そうなるとますます意識してしまって、感覚がさらに鋭くなる。 「こっちは?」  中途半端に下ろされたままだったジーンズの前立てを直輝の指先がつい、と撫で上げた。 「っ」     
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