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丹念にほぐされて押し広げられたところに、滑りのよくなった指先が分け入ってきた。万葉のそこは、待ちわびていたかのように直輝の長い指を呑み込んでいく。
「ここらへん?」
「や、ああっ……」
ぐりっと指先を押し当てられた箇所から、痺れるような感覚が身体の芯を貫いた。
「それ……んくっ……あ……っ」
中からそこを繰り返し刺激されると、腰から下が融け崩れるのではないかと怖くなるほど、感じてしまう。
「万葉……これ、気持ちいい?」
よくないわけがなかった。だって、他の誰でもない、直輝の指に触られているのだから。
「は、あぁっ……なお、き……やめ……」
それでも、こんな恥ずかしいところで感じているなんて知られたくなくて、万葉は必死に首を振った。
「やっぱり、やめた方がいいか?」
ぬるり、と指が抜かれる。
「やだっ」
自分が涙目になっているのはわかっていたが、首をねじって振り向かずにはいられなかった。
「こんな……中途半端で、やめるな、よ……」
身体の内側で、今まで弄られていたところがじくじくと疼く。空隙を埋めるものを欲しがって、窄まりがひくつく。
斜めに顔を覗き下ろしてきた直輝は、目を合わせるなり呻いた。
「万葉、お前ってなんでそんなに……」
感極まったような声が耳の後ろまで下りてくる。
「なんで、そんなに……可愛いの」
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