§12

6/9
443人が本棚に入れています
本棚に追加
/76ページ
 肩甲骨の間に小さくキスを落とされて、ぞくぞくっと不穏な熱が背筋を走り抜けた。 「っあ」  突き上げた腰を、直輝の両手が鷲掴みにする。割り開かれたそこに、灼熱の尖端が押し当てられた。 「あ、ぁああっ」  密路に快楽をねじ込まれる。  反射的に奥がぎゅっと締まる。そんな万葉の身体をそそのかすかのように、直輝がゆっくりと腰を揺すってくる。 「ひあぁっ、あ、ぅ……」 「す、げ……これ、くる……」  背中越しに降ってくる直輝の息も、万葉のそれに負けず劣らず荒い。その息遣いで「万葉」と繰り返し名前を呼ばれるのが、直接触れられるのと同じくらい、肌をぞわぞわと刺激する。 「ん、ああっ……く、ぁ」  緩急をつけて抜き差しを繰り返される。深く抉られ、浅くこすり上げられるたび、万葉の体内で欲望がのたうつ。  腰から背中へと伸ばされた手が胸元まで滑り落ち、万葉の乳首を探り当てた。 「あっ、あああ、やっ」  極限まで感じやすくなっている粒をこりこりと指先で転がされ、全身に火花が散る。 「やああぁ、だめっ、直輝、そこ……」 「く……万葉、あんま……きつく、すんな」 「む、りっ……」 「こんなんじゃ、俺、長くもたない」 「そんな、の」     
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!