【美味しいごはんと良い男】

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 まあ、カグムは控えめにいって良い男だと思う。ティエンとの溝がなければ、素直に良い奴だ。 「そして、お時間があれば、一緒にお話しませんかって聞いて来てほしいの」 「ええ? カグムにそんなことまで聞くの?」  それは、ぜひとも自分達で試みてほしいのだが。  おおよそ、彼は良しとしないだろう。カグムは任務を優先する男なので、明日のことを考え、今宵は個室で体を休ませるはずだ。  それとなく断られることを示唆してやると、姉妹は落胆したように肩を落とす。 「とても男前で格好良いのに。やっぱり、ああいう人は簡単に許してくれなさそうね。じゃあ、綺麗なお兄さんや不機嫌なお兄さんはどうかな? お話してくれない?」 「二人とも無理と思う。ティエンは極度の人見知りだし、ハオはそういうの嫌いじゃないかな。たぶん……あっ、もしティエンが話しても良いって言えば、カグムも来てくれるんじゃないかな」  まあ、あくまで見張りとして、だろうが。 「本当? なら」 「ああでも。さっきも言ったけど、ティエンは人見知りが激しいから、無理だと思うよ。俺の傍を離れるとも思えないし」 「じゃあ、坊や。私達とお話しましょう。ね?」 「俺ぇ?」 「そしたらお兄さん達も、坊やの付き添いで来てくれるんじゃないかしら。だから、坊や」     
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