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「ハオ。気に病むことはないよ。俺だって、おまけ扱いされたし」
「クソガキ、覚えとけ。大人になると、もっと、こういうことが多くなる。はあああ、だから宿にいる間、カグムと一緒にいたくねえんだよ。どうせ俺はおまけだ。くそ」
「……ハオ、なんか大変なんだな」
「同情するんじゃねえよ。惨めになるだろうが。もう、この機に酒でも頼んじまおうかな。やってらんねえ」
ぶつくさと文句を垂れるハオを眺めながら、ユンジェはティエンの顔も覗き込む。
「ティエンも綺麗だから、いっぱい女の人に声を掛けられそうだな」
「私はユンジェさえいてくれたら、他に何も要らないよ。女性に声を掛けられても、何を話せば良いか分からないしな」
「勿体無いなぁ。美人なのに」
「初対面の女性より、ユンジェとおしゃべりした方が、私はずっと楽しいよ。夕餉を済ませたら、部屋でいっぱいおしゃべりしような」
調理場の方では困った顔で娘達と会話する、男前の兵士がいたとか、いなかったとか。
(了)
後ほど、面倒事を押し付けたユンジェに、カグムがお小言を投げたとか。女性から見たカグムは、大層男前だそうな。
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