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「……だから、ほら……それは、お嫁さんに言う台詞というか。なんっつーか」
「俺がティエンに言ったら変なの? どうして?」
どうしてを繰り返すユンジェに、「気にするな」と、ティエンは言葉を掛けた。
周りがどう言おうが、ユンジェの気持ちはとても嬉しかった。子どもが望むのなら、ティエンは毎日料理を振る舞ってやるつもりである。
きっとユンジェは美味しそうに食べてくれるだろう。その都度、たくさん褒めてくれるだろう。ティエンはその光景を想像し、心を弾ませる。
「ずっとユンジェに料理を作ってやるからな。安心しておくれ」
「うーん。ティエンがそう言うなら、俺もう気にしないよ。お前の料理楽しみにしてる」
任せておくれ。
ティエンが一つ頷くと、ユンジェの小さな手が頭を撫でてきた。つい甘えたくなって、その手のひらに頭をこすりつけてしまった。
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