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秘密の場所
目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった。
彼の趣味はお尻を色々な場所へ押しつける事。そのマーキングをして、その時自分が何をしていたか記憶として残すのだ。
しかし、ここに前に座り何かをしたはずなのに、ここで何をしていたか?思い出そうとする。わからない。
お尻の記憶は座る場所によって違う。いい発想が生まれる場所。イライラしてしまう場所もある。
お尻を階段に押しつける。何故だ。いつもと違う。前方から光が差したように記憶が鮮明になるはずなのに。
階段の4段目に座る。わからない。
電車に乗り帰る。あそこで何をしていたんだっけ?
彼は座る事で記憶をセーブしていた。座る事で、モチベーションを保つタイプだ。
その日から彼の日々は変わった。
お尻のセーブが通じない。彼は新しい、お尻セーブ以外の武器が必要となった。
何故記憶がない彼があの場所に居たのか?果たしてあの場所は何なのか?
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