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1月2日、ここは柊財閥の豪邸。ひとりの少年が鼻歌を歌いながら自室に入る。
彼の名は柊充。16歳の高校1年生だ。
「さぁて、いったいいくらになりましたかねぇ。ウヒヒッ」
充の机の上には国民的アニメの猫型ロボットが所持するひみつ道具のライトで大きくしたんじゃないかというような、大きなポチ袋がたくさん積んである。
彼の家ではお年玉ルールのようなものが存在する。
お年玉の9割ほどが2日に貰える。それは自分で自由に使い、2日以降に貰ったお年玉はすべて貯金に回す事。
お年玉の額は幼稚園、小学校低学年、高学年、中学生、高校、大学と違う。これは充の父が自分の子供たちにお年玉をやる時は、少しでいいから差をつけてやってくれと周りに頼んでこうなったのだ。
充は目を閉じて姿勢を正して深呼吸をする。カッと目を開けそして……。
「いざ!」
充はひとつ目のポチ袋からお金を取り出す。
「なんと!これが噂のコンニャク……」
ポチ袋に入っていた額は百万円。しかも帯付きの状態だ。
「兄上共はこんなに貰ってたのか!しかし今回からは俺も……ジュルリ、おっと!」
充は口元の涎を拭き取り、ポチ袋を開けては電卓に打ち込み、紙にも書いた。
数分後……。
「ウヒッ、お金ちゃーん!」
充は積み上げた札束を抱きしめる。
「ヒヒヒッ、いっせんさんびゃくまん!」
今度は札束に顔を埋め、深呼吸をしたかと思えばガバッと起き上がる。
「この日本に俺と同い年でこんな大金を手にした奴はいるだろうか!?いや、いない!!!うひゃひゃひゃひゃっ!あーはっはっはっはっ!」
誰もいない部屋でひとりで高笑いをする充。部屋は防音なので誰にも聞かれてないのが幸いだ。
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