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数日後。皆が嫌がる新学期が始まる。憂鬱そうな生徒達の中でひとりだけ御機嫌なのがいる。充だ。
「おーい、お前ら今から体育館来い。全校集会だぞ」
先生の言葉に生徒達は不満を口にする。
「めんどくせー……。集会だるくね?」
「どーせハゲがエンドレスループでしょーもないこと言ってるだけだしなー」
「なにを言ってるのかね?全校集会は諸君生徒らの義務だよ」
充はそう言って高笑いしながら教室を出ていく。
「なんだ、あいつ?」
「あのお坊ちゃま、冬休みに贅沢しすぎて狂ったか?」
他の生徒達は首を傾げる。
体育館にて全校集会が始まる。
「えー、まずは皆さんに重大なお知らせがあります。今日から理事長が変更いたします。新理事長、挨拶をお願いします」
教頭はそう言ってステージから降りる。教頭と入れ違いでステージに登ったのは……。
「あれ坊ちゃんの1年じゃねーの?」
「おいおい、どうなってんだ?」
「ちょっとなに?お金で理事長権利買っちゃったの?」
「柊……なんて奴だ……」
生徒達は一斉にざわめく。
「諸君!静かにしたまえ!先ほど教頭からも説明があった新理事長は俺である。1年A組、柊充だ」
ふたたび生徒達はざわつく。
「お静かに!まず、今日から1年生だけクラス替えをする。教頭!」
教頭は1年生にプリントを渡す。
それはとんでもなくめちゃくちゃなクラス表だった。
1年A組は充の他に可愛い女子生徒ばかり。他のクラスは人数が均等になっていれば構わないと書いてあった。
「ふざけんな!」
「なんだこれは!」
「嫌よ、こんなクラス!」
1年生のブーイングで体育館内は騒がしくなる。
「単位、いらないのか?推薦、欲しくないのか?」
充のこの言葉に静かになる。
「全校集会はこれで終わりだ。1年生は集会が終わり次第クラス替えをする様に。解散!」
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