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次の日の夕ご飯はロールキャベツとポテトサラダでした。太郎くんはキャベツを剥いで中のひき肉だけ食べていました。ポテトサラダはじゃがいもの部分だけ食べて、キュウリとニンジンは残しました。
「また、野菜残して。一口でもいいから食べなさい。」
それを見たお母さんは今日も太郎君を叱りました。
「いやだー。」
そして、太郎君は今日も野菜を食べません。
「今日は食べるまで、デザートのプリンはなしですからね。」
「えー。」
太郎君はプリンが大好きです。だから、食べられないのは嫌です。でも、野菜は食べたくありません。
それへ今日も、ポチがやって来て、お腹が空いたので、早くご飯が食べたくて、太郎くんの足を鼻でツンツンしました。
太郎くんはテーブルの下をのぞき、しばらくポチを見つめてきました。それからお母さんを見ました。そして、お母さんが太郎くんから目を離したすきに太郎君はキャベツをとってポチの口元に持って行きました。
ポチはお腹が空いていたのですぐにパクッとキャベツを食べました。
「あら、キャベツ食べたの?」
お母さんが振り向いて太郎君のお皿を見るとキャベツが無くなっていました。お母さんは太郎くんがポチにキャベツをあげるのを見ていなかったので太郎くんが食べたのだと勘違いしました。
「う、うん。」
と、太郎君は頷きました。
「やれば、出来るじゃない。えらいわ。」
太郎くんは褒められて嬉しい反面、後ろめたく思いました。でも、おかげでプリンが食べられたのでポチにやったことは黙っていました。
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