幼なじみの3人

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「…だよなぁ。 亜須斗が好きだって、前から気づいてたよ」 嘘をついた。 本当は奈々が亜須斗を好きだと全く気づいていなかったが、直前の視線で察し、見栄を張る。 「おい、そこのバカ!」 「バカ…」 いつの間にか立っていた忍を苦笑しながら見上げたあと、ゆっくり立ち上がる亜須斗。 「そいつ、泣かしたら許さねぇからな」 「ああ。 これからも俺が守るよ」 自分に言い聞かせるように返事をする。 忍はそのまま立ち去ろうと歩き出す。 それまで黙って俯いていた奈々が顔を上げ、声をかける。 「…忍!」 振り返らずに立ち止まる忍。 「…ありがと… ありがとう、忍」 何も言わず、ベンチに置いていたカバンを持って静かに忍は立ち去った。
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