呪い回避

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ふたりは息を切らしながらテントへ入った。 「おやおや、さっきの双子ちゃん。どうしたの?」 「どうしたも……」 「こうしたも……」 「……?」 ふたりの様子にただただ首を傾げる女性。 「ま、とりあえず座って」 女性はふたりに座るように促した。 「さぁ、どうぞ」 女性は紙コップに緑茶を注いでふたりに差し出す。 「「ありがとうございます」」 ふたりは一気に緑茶を飲み干した。 「それで、どうしたのかな?」 「実は……」 絵里奈は女性にすべて説明した。 「あっはっはっ!そんな事になってたんだ?」 女性は可笑しそうに笑う。 「笑い事じゃないです!」 「なんで呪い付きのブレスレット売ってるんですか!?」 女性は未だに可笑しそうに笑う。 「君達さ、スマホとか持ってない?」 女性の意外な言葉に顔を見合わせるふたり。 「まぁ、ありますけど……」 ふたりはスマホを出す。 「文字打てるような画面にして“まじない”って打ってごらん?」 言われた通りに“まじない”と打ち込むふたり。 「「え!?」」 ふたりのスマホの予測変換に“呪い”の文字があった。 「(まじな)いと(のろ)いって同じ文字なんだよ」 「じ、じゃあこの意味ありげに薄れてるのは……?」 「単なる日焼け。それで文字が消えちゃったんだね」 女性の言葉に全身の力が抜ける。 「あの、(まじな)いの続きってなんですか?」 そう聞いたのは満里奈だ。 「呪いの効果が薄れてしまう、って書いてあるんだよ」 「えっと……じゃあこれは……?」 「あぁ、少し待ってて」
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