呪い回避

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女性は後ろにある棚の上に置いてあった皿の様なものをふたりの前に置く。中には透明な細かい石が敷き詰められていた。 「これは?」 「これはクリスタル。この上にブレスレットを置いて」 絵里奈は言われた通りにブレスレットをクリスタルの上に置いた。 「クリスタルには浄化の力があるんだよ。ふたりともブレスレットに祈りを込めて」 ふたりは両手を合わせてブレスレットに祈りを捧げる。 ((皆で幸せに過ごせますように)) 「もう大丈夫だよ」 女性の合図で祈りをやめ、ブレスレットを再び身につけた。 「ありがとうございます」 「いやいや、混乱させてごめんね?お詫びと言ってはなんだけど、良かったら」 女性は小さな巾着をふたりにひとつずつ渡した。 「なんですか、これ?」 「これは浄化のクリスタルが入ってるの。小皿に入れておいて時々この上にブレスレットを置くといいよ」 「ありがとうございます」 「よかったらまた来てね」 「「はい、また」」 女性に見送られ、ふたりはテントを出た。 「大変だけどよかったね」 「うん、そうだね」 ふたりがほっとしていると満里奈のスマホが鳴った。 「ああ!」 ディスプレイには母が表示されている。 「もしもし……?」 『もう、なにやってるのよー!1時過ぎてるのよ?早くしないと父さんと母さんだけで美味しいもの食べちゃうんだから』 「今行くー!」 『はいはい、急いでくるのよ』 満里奈は電話を切り、絵里奈と顔を見合わせると待ち合わせ場所に急いで走った。
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