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西森は円が困惑していると知りながら何度も何度も食事に誘ってきた。人懐っこい笑顔で、明るくて、衒いがない。そんな性格の西森は、配送先の顧客から寄せられるアンケートでも評価が高い。それに、それぞれのパーツがくっきりとしつつも調和の取れた顔は、誰もが格好いいと評するだろう。
地味でこれといった特徴のない円と食事に来るくらいで上がっていると告白されても、からかわれているとしか思えない。
「うざい……かな。でも俺、二年ぶりのマジ恋で、毎日円さんのこと考えてドキドキそわそわしてんの。毎日ちょっとでも顔見たくて必死すぎだし」
円と同じくらい顔を染めた西森が、ちらっと横目で円を見た。眉を下げた困り顔をしつつもしっかりと円に視線を絡める。その表情は人をからかう男のものではなかった。戸惑いつつも嬉しさが胸を満たす。そんな円に対して西森は更に告白を重ねた。
「円さん、なんでそんな清楚なの? 透明感があるっていうか、修道院で神に仕えてそうっていうか……なのに目元のほくろがエロいしさあ……」
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