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服を着替えた後、三田村と一緒に裏口から外へ出た。颯太と三田村は駅までの道を一緒に歩くことになった。歩きながら、三田村が颯太に話しかけた。
「なぁ」
「なんだ?」
「もし、迷惑じゃないなら、このまま働かせてもらいたいんだが、いいだろうか」
三田村が不安そうに聞いてくる。
「それはおまえの意志でいいんじゃね? まぁ、もしかしたらおまえ目当ての女の客が押し寄せるかもしれないけど、店長はむしろ売上よくなって喜ぶぜ」
ぽんと三田村の背を叩くと、三田村は申し訳なさそうに笑った。
「ていうか、俺も謝りたいことがある」
「何?」
並ぶと、頭ひとつ背が高い三田村が尋ねる。
「今日さ、おまえをソラマチのあたりで見かけてさ。学校で、また違う女連れてるの見てさ、あんまりいい印象なかったっていうか。先入観持ってたところあったんだ」
「……それで?」
「今日、一緒に働いてさ、イケメンだけどそんな悪いやつじゃないっていうか。誤解してた。悪かった」
沈黙ののち、三田村がぷっと吹き出す。
「な、何?」
「いや、おまえってお人好しだよな」
「え、なんで?」
「おまえがそんなこと思ってるなんて、別に俺、知らないしさ」
「あ……」
言われてみれば確かにそうだ。
「言わなきゃわかんないことをわざわざ、本人に言って、謝ってくるとか、変なやつ」
三田村は声をあげて笑う。夜道に三田村の笑い声が響く。
「笑うことないだろ! なんか、そういうの言わないと気がすまないっていうか……」
「いや、店長がおまえに敵がいないっていうの、なんとなくわかる」
「えーえー、どうせ俺はおまえみたいなイケメンじゃないですからね」
「そうじゃなくってさ」
三田村が颯太の耳元に口を寄せる。
「おまえみたいな奴が、いい男なんだなって」
「なっ……」
「今日は、指導してくれて、あと、フォローまでしてくれてありがとうな。颯太」
「あ、おいっ……」
颯太の言葉も聞かず、三田村は笑顔で走り去っていった。気づけば駅についていて、颯太は三田村の背中を目で見追っていた。
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