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まるで獣のように咆哮する山中は、次に反対側の隣にいた生徒の首を鷲掴みにし、その鋭い爪で喉を掻っ捌いた。
それによりそこからまた夥しい鮮血が噴き出し、それを皮切りに次々と手当たり次第に他の生徒を襲い始める。
一人は腕を引き千切られ、一人は首筋を喰い千切られ、一人は豪快に胸を突き破られ…目に余る壮絶な光景がみるみる内に広がった。
教室中が一瞬にしてパニック状態に陥り、誰もが我先にと逃げ出そうとするが、しかしその誰もが倒れた机や狭い扉に阻まれて上手く逃げ出せない。
そんな騒ぎの中、山中は派手に動くモノから順に襲うようになり、誰一人逃がさない。
一方で玲奈は、
"これで漸く…楽になれる……"
生きる事に疲れたと言わんばかりの安らかな表情を浮かべながら、まるで身を委ねるかのようにスッと目を閉じる。
しかしその直後、玲奈の耳に聞き覚えのある青年の声が届き、玲奈は驚いてすぐに目を開いた。
「懺悔する、静かに眠れ…」
その声の主は、いつか玲奈に話し掛けてきたキザな青年だった。
まだ名も知らぬ青年が、騒ぎを聞き付けてきたのか何処からともなく颯爽と現れ、手慣れた様子で山中の顔面を右手で鷲掴みにして黒板に押し付け、続けて左手の指をパチンと弾いて音を鳴らす。
「グアアアアァアァァァァ…!!」
するとその瞬間、山中は悲痛の叫びを上げながら一瞬はジタバタと藻掻くが、しかしすぐにピクリとも動かなくなってしまった。
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