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クラスメートに引き続き両親をも手に掛けてしまった罪悪感にも拍車を掛け、自身も八乙女に狩られてしまうのではないかという凄まじい恐怖に駆られ、震えが止まらなくなるが、
「辛かったな…」
"え……?"
そんな玲奈を、八乙女は優しく包み込むように抱き締める。
「今言ったばかりだろ?俺が君の闇を照らす太陽になるから…」
"………!"
その瞬間、玲奈の涙は恐怖によるものから安堵のものへと変わり、そのまま八乙女の胸に額を押し当てて顔を踞めた。
"このまま時が止まればいい……"
その時間が、玲奈にとっては何にも替え難い程に心地が良かった。
永遠にも感じたほんの数分は静かに終わり、八乙女は玲奈からゆっくりと離れてフッと微笑み、また手摺に体重を預ける。
「"バーサークって何?"って言いたそうな顔してるな」
"……"
「無理もないよな。あれだけの惨劇に巻き込まれたんだから…」
少なからず玲奈を巻き込んでしまったという罪悪感を抱いていた八乙女は、自身が"獣"と呼ぶバーサークについて説明する義務があると感じていた。
そんな八乙女の言葉に対し、玲奈は深く注目して耳を傾ける。
「ある所に、"バーサークウィルス"っていう人口ウィルスを研究してる研究所があったんだ」
"バーサーク…ウィルス…?"
「簡単に言えば、そのウィルスに感染した人間が、暴走して"バーサーク"になる…それだけだ」
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