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何度挑戦しても上手くいかない為に二人は遂に諦め、今度は近くにあったエアホッケーで対戦を始めた。
「オラくらえ!」
"あっ!"
これは八乙女の方が得意だったようで、怒濤の攻めで圧倒的に点差を開き、それにいじけて玲奈は口を尖らせる。
「そういじけるなって!次はアレ、やってみるか」
そう言って八乙女が指差したのは、リズムゲームだった。
好きな曲を選択し、リズムに合わせてテンポよくボタンを連打するゲームで、八乙女はそれなりに自信があったのだが、
「あ…あれ?」
"ふふ…♪"
玲奈は意外な才能を発揮し、寸分の狂いなく全てのステージをクリアし、今度は八乙女の方が圧倒された。
「くっそー、悔しい。次はどれが……ん?」
続けて八乙女は辺りをキョロキョロと見回していると、一方で玲奈は奥の方を指差していた。
"アレ…やりたい…"
「アレをやってみたいって?」
八乙女がそこに目を向けると、玲奈は深くコクリと頷く。
二人はすかさずその奥にあったプリクラに向かうと、八乙女は少し恥ずかしそうに中へ入った。
「俺こういうの苦手なんだよぉ」
それでも玲奈に強引に手を引かれ、八乙女は少し引き吊った笑顔で激写される。
そして仕上がったものを二人で取り出して眺めていると、玲奈はおもむろにそれを剥がし、自身のスマホの裏側に貼り付けた。
"いいでしょ?"
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