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おそらくは二年以上前からここで務めていると思われる従業員はもれなくバーサークと化し、二年以内から入った若手は何ともない事から羅染の予測は確信に変わり、尚も奥へと向かった。
そして羅染は辿り着いた監視室でウィルスに感染していない若手を一人捕まえ、強引に指示を出す。
「おい、二年前の監視映像を出せ」
「な、なんなんだあんた!」
「いいからさっさと出せ!!」
玲奈と会話を交わす八乙女は、話の中から羅染という人物についての説明を始めた。
「綺麗事が嫌いで言葉や行動は乱暴でとにかく荒いが、責任感が人一倍強い……俺の親父の助手だった男だ」
"助手…?"
「そしてアイツも……俺と同じく強い"覚悟"を内に秘めている」
「何かを護りたいなら何かを殺せ!!……今まで俺は、そう生きてきた!!」
実は羅染も、八乙女と同じように二年前のある出来事により自身も責任を感じ、こうして積極的にバーサークを狩っている。
そのやり方は八乙女のように優しくなく荒々しくはあるが、それは羅染の不器用さの表れだった。
従業員の協力を得て確認した映像から、羅染は確実な情報を得る。
「思った通りだ……」
それは、先日に自身が仕止めた玲奈のクラスメート達と、その脇に一瞬だけ通り過ぎる志帆の姿、更にはこれまで八乙女や羅染が狩ってきたバーサークらの生前の姿だった。
それにより羅染は、次の目的を決める。
「残りは……」
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