ー8thー thor genocide

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そこに映し出された映像は、玲奈の元クラスメートや、その脇を一瞬通り過ぎる志帆の姿、更にはこれまで自身達が狩ってきたバーサーク達の生前の姿。 他にも見知らぬ顔が何人も映っているが、 「コイツらが、ウィルス感染者の可能性が高い」 それらがバーサーク候補だと断言する。 しかし八乙女は異を唱えた。 「待て…確かに可能性は高いだろうが、確実じゃないだろ。どうするつもりだ?」 それに対し羅染はフッと息を漏らして微かに笑むと、不敵に続ける。 「コイツらを一ヶ所に纏め、この撒き餌を撒いて覚醒させ、一気に叩く」 「……っ!!」 羅染の考える作戦は理解した八乙女だが、しかしそのあまりにも無謀な内容に一瞬言葉を無くした。 「ふざけるな!もしそれを実行した時、覚醒しなかった者はどうなる?巻き込まれるぞ!」 八乙女が懸念したのは、一ヶ所に集められた者の殆どがバーサークと化した中、感染していなかった者の身が危険に晒されるという事だった。 それに対し羅染は、想定通りと言わんばかりに即答で返す。 「俺一人ならそうなるな、犠牲は付き物だ」 「羅染!!」 「だから手を貸せ」 それを羅染一人で実行した場合、惨劇は確実に免れない。 そこで八乙女に協力を依頼したのだった。 それに対し八乙女は表情を歪め、暫く言葉に詰まる。 「迷うだけ無駄だ、計画は既に実行してある」
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