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「納得いかん!なんでおんなじ日におんなじ場所で描いたのに兄ちゃんのやつだけ優秀作品なんよ!」
夏休みの絵の宿題、二人で山を登った先にある神社に行って描いた。
だけど私の絵は選ばれず、兄の絵だけ優秀作品に選ばれた。
負けず嫌いな私は納得いかず、展示されている兄の作品を見に行くのに付いて行った。
「ウルセーな。実力の差や!文句言うなら付いてくるな!」
「イヤや!兄ちゃん一回も見せてくれへんかったから見るんや!」
「もう!二人ともケンカせんの!お母さんも兄ちゃんの絵、見てへんから楽しみやわ~」
兄は何故か、描いてから学校に提出するまで何処かに隠していて、描いた絵を一度も見せてくれなかったのだ。
気になって仕方がなかった。
だけど、
展示された絵を見た瞬間、絵は気になるわ、兄だけ選ばれたりと、一人文句ばかり言っていた私は勿論、母ですら言葉を失った。
ただ、兄が一度も絵を見せてくれなかった理由だけは解った。
何も言えずに兄を見ると、兄は顔を赤くしてそっぽを向いていた。
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