プロローグ

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「(……でも、なんて返せばいいんだ?)」  光と同じく刃の幼馴染みである水仙流斗(すいせん りゅうと)風間翔矢(かざま しょうや)は顔や性格が良い、頭が良い。そしてなによりI'tem(アイテム)の成績が良いということで女子からモテモテだ。彼らが告白されるなら分かる。  しかし、蓮が自分を好きになってくれた理由がわからない。  それに刃にとって、彼女は初めて自分に『好き』という感情を真っ直ぐに伝えてくれた相手だ。その気持ちはとても嬉しい。  嬉しいはずなのに、どうしてこんなに気持ちがモヤモヤするんだろう。どうすればいいのかわからない。 「……仕方ない、か」  そう思って刃はスマホを取り出して操作。こういうことは慣れた人に聞くに限る。  頼りになる2人に連絡を取ると、2人ともすぐに返事が来た。 『2人とも、今日の放課後時間あるか? ちょっと2人に相談したいことがあるんだけど』 『ドリアとドリンクバーで手を打とう』 『ワイはそれにアイス追加で』 「ぐっ……」  唐突な痛い出費になったが、やむを得ない。OKの返事を返してスマホを閉じた。  もうすぐ11月も終わり、12月になる。サンタが世界を回りプレゼントを配ってくれる季節だ。  別に自分の分はいらないから、この出費分だけはサンタが出してくれたりしないだろうか、そんなことを考えながら刃は少し冷めたご飯を口に運んだのだった。
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