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「もー入んない、食った!」
買い物を済ませた冬乃、千秋、真弓の三人は、回転寿司店に寄って可能な限りの量を平らげた。
「ねー雨止まないんだけどォ・・」
ドア側に座っていた千秋が、外をのぞき見て溜息をつく。センター街を傘を差した人達がだるそうに歩いている。
「もー、やっと来た休みなのに」
のけ反って真弓がうめいた。
「どーする?これから」
「ゴメン、私このあと寄るとこあるんだ、」
冬乃は立ち上がった。
「きょう先帰るね」
「ちょっっと冬乃サンそれなくねえ?」
さらにのけ反って真弓がうめく。
「とりあえず出ますかぁ」
あがりを一気飲みして千秋も立ち上がった。
「てゆーかドコ行くのサ」
店を背にそれぞれ傘を開きながら、真弓は冬乃を見やって尋ねる。
「ちょっとね」
「え、新カレ?」
「うっそさすがにマダでしょ?」
横から千秋が覗き込む。
「でもォ冬乃カワイイからホントすぐ出来っよねぇマジうらやましー」
「おい千秋、おまえこそカレいるんだからイイじゃん」
「にゃぁーん」
真弓に制されて千秋は猫真似ひとつで引っ込んだ。真弓は続けて、
「ハヤト君だっけ名前。先週別れたのって」
「うん」
冬乃は小さく返す。
「・・今度もまた一ヶ月続いてなくない?」
「はじめはいけると思ったんだけどね」
「じゃ冬乃の好きなのって沖田サンなまま?」
冬乃は黙って頷いた。
真弓が目を見開く。
「ちょっといいかげん現実の男を沖田サンと比べるのやめれない?」
「やっぱぁそんなイイ男?」
再び千秋が割って入った。かまわず真弓は、
「冬乃、見ててかわいそ過ぎ。本気なのわかるから、かなりネ・・」
「聞いて。」
そんな二人の横で、冬乃は立ち止まった。
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