禁忌への覚悟

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 「だ・・から、そうと決まったわけじゃ、いやもぅそうなのかな、そうなのかも」  もはや観念して口走る冬乃に、  「あ、てか。白衣のイケメンから連絡先、冬乃もらってるっけ」  千秋が思い出して声を上げる。  「昨日冬乃のお母さんがぁ、今度御礼させますってイケメンに言ってたけど、冬乃、連絡先もらってるのかな、て気になってたんだよね」    たしかに母が昨日、次に逢えたら御礼をしろと言っていたが、連絡先を知らない。  もらったはずのメモは、あれから考えてみたがおそらく、冬乃が再度倒れた騒ぎで医務室に置き忘れているのだろう。  「連絡先のメモは渡されてたはずなんだけど、どっか行っちゃったみたい」    (どころか、名前も)  「あの人って、名前なんていうの?」    「「さあ」」  千秋と真弓が同時に首を振った。    「たしかに御礼しなきゃなのに・・」  「・・・」  三人は困った顔になって黙り込んだ。                      千秋達と別れた後。冬乃は道場へ向かった。    部屋へ戻っても悶々と苦しいだけだ。どうすれば幕末へ戻れるのか判らないで悩んでいても仕方ないと。こういうときは、無心に竹刀を振っているのが一番いい。         
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