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(なにを我がもの顔に・・私のほうがずっと一緒にいたのに、妻の味方って顔して、父親らしい態度なんか何一つできないで)
義父の怒号と母の叫び声は、塞いだ両耳になお響き渡り、容赦なく嵐のように降り注ぐ。
(自分達だって子供の頃があったくせに、なんでわからないの)
親との不和は、親の想像するよりも遥かに深く、子を傷つける。
衣食住だけではない、子が精神面で頼れる存在もまた親であるべきはずが。その頼る先を長く失った子の気持ちなど、想像もできない二人。
(もういや、こんな世界・・)
母と心の通わない年月。気性の荒い義父の、度重なる言葉の暴力。
そして、
それを止めようとはしない母。
冬乃の居場所は、此処には無く。
いっそ早く死んでしまいたいと、何度願っただろう。
そのたびに想うのは、愛する人だった。
どれほど苦しくても、
彼のように、与えられた寿命を最期まで生きなくてはいけないと、
それが彼を愛する資格だと。思って。
耐えてきた。
「いい加減にしろ!!早く開けろ!!」
「あなた、もういいわよ!あんな子、何言っても無駄よ・・!」
沖田様。
もうこんな世界、捨てたい。
私の寿命を貴方にあげれたなら。
私の分を貴方がもっと生きられたなら。
貴方が早くに亡くなって、
死にたいと思ってるこんな私がいつまでも生きてるなんて、
なんて不公平なのですか。
ごめんなさい。
わがままだって、わかってる。
でも、もう。
ときどき限界になるんです。
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