蔵のなかで

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蔵のなかで

 (最悪・・・)    がこん、と外で錠が閉められた音を聞きながら。  冬乃は、これから一体どうすればいいのかと。途方にくれた。    (千秋・・真弓・・)  いなくなった冬乃を探しているだろうか。今頃心配しているに違いない。    いや、心配どころか・・    あのときは、頭の奥を引っぱられるような感覚がして、目の前に霧を見て、    気がついたときには、すでにもうココに居た。つまり、  向こうの世界で、冬乃はその瞬間に突然消えてしまった、ということなのではないか?    だとしたら彼女たちのまさに目の前で、冬乃は掻き消えた、ということになる。    (怖いおもい、させちゃった、よね・・)    私は無事でいると。伝えようもない。
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