152人が本棚に入れています
本棚に追加
あれから、俺はトナカイを続けている。なんか全部が虚しかったし、もうなんのためにバイトしてるのかも分からなかったけれど、俺が投げ出したら迷惑かかるから。
こんな時、着ぐるみって便利だって思った。トナカイの中で俺がどれだけ泣いていても、外からは見えないから。
三代川さんは心配してくれた。でも俺は空元気で「大丈夫っす」って言った。
だって、そう言わないと動けないじゃん。大丈夫じゃなくても「大丈夫」って言ってないと、泣いちゃうじゃん。
分かってるよ、どっかで電池切れてきっと俺大泣きする。今でも部屋で泣いてる。
それでも、忘れられないんだ。
どうするんだよ、俺の体こんなに開発しておいて。もう、電車で痴漢くらいじゃ全然興奮しないんだ。ここで散々エッチしたのを思いだして、体が熱くなるんだよ。
でもそれは所詮妄想で、本物が欲しいのにそれはなくて、自家発電のおかずにして達しても、その後すんごい虚しいんだ。
最初のコメントを投稿しよう!