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それを言われるとどうしようもない。俺は恥ずかしいばっかりだ。確かに昔から、俺は勘違いとか早とちりなんてのが得意でした。
でも、和樹も苦笑いのまま俺の頭を撫でている。なんか、申し訳なさそうだ。
「俺も、隠してごめん」
「和樹?」
「後ろめたい事があるわけじゃ無かったんだけど、隠しちゃって。疑われても仕方がないって思ったんだ。怒らせちゃって、でも昔みたいに仲直りの方法が分からなかった」
人前でそっと手を握られて、ちょっとドキ。見上げた先で、和樹は泣きそうな笑い顔だった。
「ごめん、亮二」
「俺だって悪いんだから、もう謝らないでよ」
「俺と、クリスマスしてくれる?」
「当たり前だろ。俺、楽しみにしてたんだから」
だから喧嘩した時、苦しかった。一気に明かりが消えたみたいで、苦しくて切なくて泣いていた。もう和樹と今まで通りじゃないんだって思ったとき、俺は色んなものが壊れていくように思った。
完全依存だよ、こんなの。俺、どんだけ和樹が好きなんだよ。
「じゃあ、ケーキ買って帰ろう。準備してあるんだ」
「あっ、うん。あっ、でもその前に自分家寄って着替えたりしたい」
「いいよ」
嬉しそうに笑う和樹に、俺も幸せに笑っていた。
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