妄想痴漢列車3―トナカイの俺を攫うのは君の役目でしょ?―

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 それを言われるとどうしようもない。俺は恥ずかしいばっかりだ。確かに昔から、俺は勘違いとか早とちりなんてのが得意でした。  でも、和樹も苦笑いのまま俺の頭を撫でている。なんか、申し訳なさそうだ。 「俺も、隠してごめん」 「和樹?」 「後ろめたい事があるわけじゃ無かったんだけど、隠しちゃって。疑われても仕方がないって思ったんだ。怒らせちゃって、でも昔みたいに仲直りの方法が分からなかった」  人前でそっと手を握られて、ちょっとドキ。見上げた先で、和樹は泣きそうな笑い顔だった。 「ごめん、亮二」 「俺だって悪いんだから、もう謝らないでよ」 「俺と、クリスマスしてくれる?」 「当たり前だろ。俺、楽しみにしてたんだから」  だから喧嘩した時、苦しかった。一気に明かりが消えたみたいで、苦しくて切なくて泣いていた。もう和樹と今まで通りじゃないんだって思ったとき、俺は色んなものが壊れていくように思った。  完全依存だよ、こんなの。俺、どんだけ和樹が好きなんだよ。 「じゃあ、ケーキ買って帰ろう。準備してあるんだ」 「あっ、うん。あっ、でもその前に自分家寄って着替えたりしたい」 「いいよ」  嬉しそうに笑う和樹に、俺も幸せに笑っていた。
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