妄想痴漢列車3―トナカイの俺を攫うのは君の役目でしょ?―

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 ご飯を食べて、ケーキは部屋で食べる事にした。ホールのまま好きに食べられるって最高だよ。  そんなこんなで和樹の部屋に引きこもると、俺はモジモジしてしまう。持ってきたプレゼントを渡すタイミングを逃している気がする。 「和樹?」 「あっ、あのさ」  あーもう、まったく! こんなの俺っぽくないじゃん。何色気出してロマンチックとか目指してるんだよ。泣き顔鼻水見られた時点でロマンチックが裸足で逃げるっつーの!  俺は鞄に隠していたプレゼントを出した。もう渡せないと思ってたから、ちょっぴり嬉しい。喜んでもらえるとなお嬉しい。 「俺に?」 「他にいるかよ」  驚いたみたいに俺とプレゼントを見ている和樹は、次にとっても嬉しそうに笑う。そしてそっと、包みを受け取った。 「もしかして、突然バイト始めたのって…」 「そういうの探るなよ」 「ははっ、ごめん。でも、嬉しすぎて。俺の為に、バイトまでしてくれるなんて。てっきりゲーム買ってお金無くて自分にリボンつけて『プレゼントは俺』なんて、定番のやつやるのかなって」 「その手があった!!」  ド定番な古くさいけど、和樹ならもらってくれるはず! なーんだ、それはそれで良かったじゃん。     
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