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ご飯を食べて、ケーキは部屋で食べる事にした。ホールのまま好きに食べられるって最高だよ。
そんなこんなで和樹の部屋に引きこもると、俺はモジモジしてしまう。持ってきたプレゼントを渡すタイミングを逃している気がする。
「和樹?」
「あっ、あのさ」
あーもう、まったく! こんなの俺っぽくないじゃん。何色気出してロマンチックとか目指してるんだよ。泣き顔鼻水見られた時点でロマンチックが裸足で逃げるっつーの!
俺は鞄に隠していたプレゼントを出した。もう渡せないと思ってたから、ちょっぴり嬉しい。喜んでもらえるとなお嬉しい。
「俺に?」
「他にいるかよ」
驚いたみたいに俺とプレゼントを見ている和樹は、次にとっても嬉しそうに笑う。そしてそっと、包みを受け取った。
「もしかして、突然バイト始めたのって…」
「そういうの探るなよ」
「ははっ、ごめん。でも、嬉しすぎて。俺の為に、バイトまでしてくれるなんて。てっきりゲーム買ってお金無くて自分にリボンつけて『プレゼントは俺』なんて、定番のやつやるのかなって」
「その手があった!!」
ド定番な古くさいけど、和樹ならもらってくれるはず! なーんだ、それはそれで良かったじゃん。
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