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お家に着くと、あなたは僕を座らせ「喉渇いたろ」と微笑んでくれた。僕はあなたを見つめながら小さく頷いて見せる。あなたはお水を持ってきてくれて、僕に飲ませてくれた。水分が体中に行き渡り僕は大きく息を吸って、ゆっくりと息を吐いた。生き返ったなんて大袈裟だけど、すっごく気持ちがよかった。
そんな僕にあなたは微笑み頭を撫でてくれる。
こうして僕とあなたとの二人の生活が始まった。
朝になると「おはよう」と微笑み、お水をくれる。僕が飲み終えると決まって優しく撫でてくれた。出かける前にはポカポカと日差しが差し込む窓辺へ連れていってくれる。僕はその温かな光の中まどろみながら、窓の外を眺めたり、お昼寝なんかをして時間を潰す。
あなたの「ただいま」を待ちわびて。
休日は大好きだ。あなたと過ごせる時間が沢山持てるから。
あなたは僕のそばで本を読んだり、お昼寝を一緒にしたり。そして微笑んでくれて、たまに話しかけてくれた。無口だけど優しい眼差しをくれる、この静かな時間は僕のお気に入り。
そんな休日でも出かける事がある。こればかりは仕方がない。あなたにはあなたの生活があるのだから。
僕はただ待ち続けるだけ。あなたが僕の元へと帰って来てくれるのを。
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