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ある日あなたは神妙な面持ちで近づいてきた。どうしたんだろう? そう思って見上げているとあなたは僕の前に座った。
僕に触れ、そして冷たく固い感触。
あなたは僕にハサミを入れた。
一瞬の痛みが身体を強ばらせた。その部分の感覚がなくなり、断面はチリチリと痛んだ。バランスがとりにくい。
一つ一つ、プレゼントを回収していくあなた。
僕はワケが分からずにただされるがまま、あなたを受け入れた。ショックではあったけれど、それでもいいと思った。なぜならあなたは回収した僕のプレゼントを嬉しそうに束ね「ありがとう」といつものように撫でてくれたから。
微笑んでくれたから。
あなたは束ねたプレゼントを持って机へと向かった。なにか一生懸命作業をしているようだ。その夢中になってる背中は、愛おしくも、少し寂しくも思えた。しばらくしてあなたは嬉しそうにプレゼントを掲げた。僕のプレゼントは綺麗にくるまれて綺麗なリボンがかけられていた。
まるで、見間違えてしまうくらい素敵になったプレゼント。
そして、同時にチャイムの音がする。
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