捜査

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捜査

「毒物による死亡といったところでしょうか」 鑑識課らしい服装の男が、江川刑事にそう告げた。 「ケーキとワインで、一人メリークリスマスとやってた時に、毒物を飲んだわけか。服毒自殺には見えないな」 「この包装紙はケーキを包んでいたものですよね。ということは、このケーキは誰かのプレゼントということですね」 加藤刑事は、テーブルの上にある包装紙を指差してそう言った。 「ケーキに毒が入ってたってこと?」 と江川。 「そうとも言えませんよ。ケーキと一緒に飲んでいたワインだって怪しいです」 加藤はワインの瓶を指差してそう言った。 吉川良太は自宅マンションで、毒物を飲んで死亡しているところを、同居している黄川田美奈子に発見された。 現場には争った形跡はなかった。 その後の調べで、吉川良太の体内からはトリカブトの毒が検出された。 また、吉川良太の勤務する会社は倒産寸前であることも判明し、会社内で末期的な騒乱が起きていることもわかった。 そして、警察はワインとチョコレートケーキのどちらかに毒物が混入されていたと推測し、ワインとケーキについて調査を行なった。 ワインは、元々黄川田美奈子が飲んでいたワインの瓶の残りを吉川良太が飲んだものだと断定された。 瓶を調べたが、ワインがまだ残っている瓶の中からトリカブトの毒は検出されなかった。 次にチョコレートケーキについて捜査したところ、重要な事実が判明し、おまけに同居人、黄川田美奈子の貴重な証言もあり、警察はある結論を出して事件は幕を引いた。
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