嘘つきが、行く

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 舞の泣き声で公園の雰囲気はかなり悪くなってしまっていた。  伯母が、大袈裟にため息を付き、私の目の前までくると舞を私に抱かせた。舞は私にしがみつき、それでもなお泣き続けている。  伯母は、 「一緒に来なさい」 そう言って私と宗太を自宅へと促した。  座敷に通されて、舞をだっこしたまま、宗太と並んで座った。  部屋数に余裕があると、来客をもてなす専用の部屋が用意できて良いな、と、呑気に思う。  ねえねの家に部屋数が多いのも、突然の来客があったとき誤魔化すためだった。整理整頓が苦手で嫌いなのだ。だからこそ、今現在私の存在価値が高いとも言えた。  ただ、伯母のこの座敷はスッキリとしていて清潔で、決して誤魔化しのための特別な空間ではなさそうだった。  私が小姑よろしく部屋を見定めている間に、舞も落ち着いていた。 「舞ーっ、俺、覚えてる?」 「おにーちゃん」 「ぉおっ、すげーじゃんっ!」  宗太の盛り上がり方が雑すぎる。  それでも、宗太の笑顔に引かれるように、舞も強張っていた体がどんどんほぐれ、朗らかな表情になっていった。  しかし、伯母は厳しい表情を崩さない。
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