嘘つきが、行く

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 ねえねは、母の妹であり、今現在の私の保護者だ。  私が事故で両親を亡くしてから、もうすぐ一年経とうとしている。  あの悪夢は高校受験を控えた1月末のこと。  交通事故だった。  当時私は、意識を高校になど向けられず、通う中学も突然変わることになって戸惑う余裕すらなかった。  私はただ呆然と、成り行きを受け入れるだけだった。  幸いにしてねえねのマンションはうちの隣の市にあり受験区は変わらなかった。私は高校について情報を集め直す手間をかけることなく、何とか漫然と試験を受けた。  今となってはもう遠く懐かしいエピソードだ。  ねえねは独身で、恋人もいないらしい。さらに名古屋駅にそびえ立つ高層ビルにお勤めでお金に余裕があった。  マンションも一人暮らしなのに3部屋備わっている。  私が居候する空間的・金銭的余裕があり、帰宅の遅いねえねを独りで待つにも安心できる住まいだった。  私は、授業が終わり次第帰宅して、買い出しをし、部屋を片付け掃除して、夕食を作って毎日を過ごしてきた。  今ではもう、家事などお手のものだ。
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